サウナが好きだ~中編

2017年の夏、渋谷のラブホテル街のど真ん中にあるライブハウスでサウナを語るトークショーが初開催された。

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LOFTではステージ脇の桟敷席が意外と知られていない超SS席であり、そこに座り楽しんでいた。隣に座っていた紳士はゴッドファーザーことウェルビーの米田社長であったのは驚きだ。会場でも面識のある方が多くいた。

サウナ〜が市民権を得たのはごく最近だと思う。サウナ王は普及活動に勤しんでおられ、電通の某氏やサウナジャンキー氏らが編集発行した小学館のmook「saunner」が出版されてから風向きが変わったと思う。

実はこのトークショー、協賛も凄くてサウナ招待券が大判振る舞い。入場チケット(実質)対価以上のリターンがある前代未聞のイベントであった。

翌2018年10月に三軒茶屋のスペースBPMでTABI LABOプロデュースのサウナイトが開催された。それまでの内容とは異なりフィンランド観光局(大使館)も巻き込み、それらしく最大の協賛品はフィンランド往復航空券であった。
それは仕込みのようにサウナの魅力を発信し続ける芸人マグ万平氏(その回は登壇者ではなくひとりの観客)がgetするのだが、これまでのボードメンバーのトークではなくTABI LABO社長の久志尚太郎氏(binちゃん)とTTNEの松尾太氏(ととのえ親方)が中心の確信犯的トークショーであった。

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この頃はGO TO FINLANDの雰囲気が強く個人旅行される方も増え、サウナイトボードメンバーも代理店と協働しツアーを組んでいた。そういった方を中心に登壇していた。

 

そんな中で第二部ととのえ親方の海外サウナトークは面白かった。フィンランドのスモークサウナの後に鼻孔の奥の残り香にはハイボールが似合うと感じ、飲みたくなるがバーメニューにはハイボールがなく、でもバーボンやソーダはあるので作ってくれとバーテンダーに懇願(英語で伝えるが英語が通じない)した裏話などは面白かった。

 

ととのえ親方との出会いはここなのである。
実はものすごいアクティブな実業家であり尊敬する。彼の福祉分野への投資は素晴らしい。吾は失脚したが、事業主の崇高な精神は少しだけ理解できると思っている。表面的なものだけではなく事業の側面を「妄想」することは得意だ。
彼のビジネス全体を考えると吾は真似できない。趣味を実益にと言いたくはないが、それを具現化している。

サウナに入って汗かいて水風呂でクールダウン、椅子に座ってだらっと骨抜きになる。その時のリラックス状態を医学的・科学的に追究していたり。
「気持ちいい」の先を突きとめるのはいいけど、でもその結果は吾は知りたくないし謎のままでいい。それは論文を読まなければいいだけの事なのだが、学問上は解明が必要なのかもしれない。


魂の宿る肉体はそれがスーパーコンピュータのように存在する。ココロを制御し欲望を抑制する能力を行使するかしないか。それが肉体に影響する。
温泉やサウナは肉体をメンテナンスする方法の一つと思うし、それが好きなんだ。
ととのえ親方はそのための場所を数多くプロデュースしている。

 

しかし、ととのえ親方は様々なアイテムを販売しているのだが、これは吾が一番納得いかないし、否定するところ。
全て模倣なのである。リスペクトとは都合のいい言葉で、例えば赤枠白抜きのSupremeと同じロゴでSaunnerのTEEシャツとかを平気で販売している。
ここは"サウナイキタイ"のコミカルなかぼちゃ氏のオリジナリティに軍配があがる。

 

熊本、静岡、名古屋、仙台/東北、関西それぞれの地方でtwitter~LINEを中心にドメスティックコミュニティをつくりサウナネットワークを広げている方々が多いが、吾は参加しないしほとんどブロックされている異端児なのでその先は知らない。
しかしそういった方々も、ととのえ親方には異論を唱えており表面的な判断で否定している(と聞く)。

 


かつて都心にジャパニーズスタンダードなカプセルホテルがあった。
業績不振で閉店し居抜きで取得した企業は、アップル社に復帰したジョブズ氏がカラフルなスケルトンのiMacを発売しV字回復したその商材同様に設備を丸裸にし、本格的なフィンランド式サウナを導入し、目玉としたのである。

しかしいわゆるサウナーは何故か再生者の言う言葉尻を一言一句掴み否定に明け暮れたのである。
スポーティーなサウナを中心にしてカプセルホテルを再生させた本質を理解することなく、
水風呂が無いとかシャワーではダメとか。カリフォルニアロールは寿司と言えるか?みたいな、わけわかめの論争がオープン当初タイムラインに数日間流れていった。

そんな背景もあるが、大磯プリンスホテルにS・WAVEという高品位スパ施設が誕生し、平塚の老舗サウナが閉館と時期を同じくして隣駅の茅ヶ崎にととのえ親方がプロデュースしたおしゃれなサウナが併設されたホテルがオープンしたのである。
前者2店はドラマ「サ道」(関東ローカル)でも登場したのでご存知だろう。しかし何故か後者はカリフォルニアロール如く叩かれるどころかスルーされたのである。
567禍に開業なので仕方ないのか、評判が聞こえてこなかった。

 

開店と同時はヤな面も目に付くので、開業1年を目前に長期休暇を避けてそのサウナとホテルを普通の週末に体験したのである。

(続)